保護者世代の「学校教育」をふり返ってみる

私たち保護者世代受けてきた「学校教育」

『なぜ今「学び」が変わっているのか』について、考えながら(まとめながら)、ある時こう思いました。

ひよどり
ひよどり

学びが変わっている理由の前に・・・ そもそも私たち(保護者世代)が受けてきた教育って?

というわけで、今回は、私たち保護者世代が受けてきた学校教育についてざっくりとまとめてみようと思います。

ただし、一口に「保護者世代」と言っても、20代~50代くらいまで本当に幅広い世代ですよね。

そこで、ここでは40代の私自身が受けてきた教育や、私が教員時代にしていた教育(主に、現在30代の方々の教育)を中心に振り返ろうと思います。

保護者世代が受けてきた学校教育の特徴って…?

学校教育は、およそ10年ごとの「学習指導要領改訂」を重ねながら、その教育課程の基準に従って変化してきました。

改訂するのには理由があり、その学習指導要領でうまくいっていない部分を何とかしようとしてくれたからなんだと思います。

もちろんうまくいった!という部分もありますし、教育には普遍的なものもありますが、振り返ってみて反省があるからこそ改訂を重ねているはずですので、どの部分がうまくいかなかったのかという、その時代の学校教育の「負の影響」について、振り返ります。

*読むと、受けてきた学校教育に対して残念な気持ちになるかもしれないですが、前向きに受け止めていただけたらありがたいです。

①一律のカリキュラムや学力テストを重視し、生徒全員が同じスピードで学ぶことを求められました

  • 個性興味・関心が育ちにくかった。
  • 自己肯定感が低下しやすかった(特に、学力の基準に満たないと感じた場合など)。
  • 創造性や主体的な学びが軽視されやすかった。

②高校・大学受験に向けた点数至上主義が強調され、偏差値や合格実績が重視されました

  • 知識の詰め込み型教育に偏り、「考える力」や「問題解決力」の育成が不十分になった。
  • 成績や結果が人格の価値に結びつけられる風潮があった。
  • 学ぶこと自体の楽しさや意義を見失うことにつながった。

③教師が一方的に教える講義形式の授業が主流で、生徒は「聞いて覚える」ことが求められました

  • 生徒の主体性や能動的な学びの姿勢が育ちにくかった。
  • 議論やチームワークの経験が乏しく、社会で必要な協調性やコミュニケーション能力が不足しがちだった。

④校則や制服、時間管理など、厳しい規律が求められ、従順さが重視されました

  • 自己表現や多様性の尊重が後回しにされやすかった。
  • 権威に対する批判的思考が育ちにくかった。
  • 必要以上のストレスや反発を生むケースもあった。

⑤急速な社会の変化(グローバル化、IT化など)に対して、学校教育が追いついていませんでした

  • 実社会で必要なスキル(例: デジタルリテラシー、英語運用能力)が不足しがちだった。
  • 学校教育が社会との接点を持たず、現実味が乏しかった。

⑥家庭科や技術科などにおける性別役割分担の偏りや、社会での男女のあり方に対する固定観念が教育の中に含まれていました

  • ジェンダー平等意識の低さにつながった。
  • 多様性を尊重する価値観が十分に育たなかった。
  • 「男は外で働き、女は家庭を守る」という価値観が残り、子どもたちに影響を与えることもあった。
  • 性的少数者や多様な家族形態への理解が不十分であったため、偏見や排除につながることもあった。

⑦長時間の授業や補習、部活動の過密スケジュールなど、過剰な負担がかかっていました

  • 心身の健康への悪影響(いじめ、不登校、燃え尽き症候群など)につながった。
  • 「失敗を恐れる」文化を形成してしまった。
まとめると

旧来型の画一的な教育は、日本の高度経済成長に合わせて、均質な人材を育成する上では大きく貢献したかもしれません。

ただ、その一方で、 同調圧力を生みやすく、人との違いが目立ち失敗することを嫌い個性やクリエイティブな発想が発揮しづらい環境を生み出してしまった・・・

と言えるのではないでしょうか?

私たち保護者世代にできること

ひよどり
ひよどり

以上のように、ざっくりと振り返ってみましたが、みなさんは、どのように感じたでしょうか?

もちろん、世代が違うと違和感を覚える方もいるかもしれません。

また、「学習指導要領」が変わっても、学校の中に古い考え方が残ることはよくあることで、比較的若い保護者世代やもしかしたら今現在の学校教育に対しても共感する方がいるかもしれません。(本来なら、大人(保護者や教師など)もその時代に合わせてアップデートしないといけないのだけれど・・・)

そして、その逆もあるのかもしれません。身近にいた大人(教師)の価値観にも影響されますよね。

子どもは、実際には学校教育だけでなく、家庭や地域、個人の特性、学校外の経験が複合的に作用し成長します。

学校教育の負の影響を極力抑えながら成長したと考えられる保護者世代の人々も、もちろんいます。

これを教育に応用するなら、子どもたちに「画一的な『環境』」を強いるのではなく、「多様な経験や選択肢のある『環境』」を提供し、それぞれの個性に合った学びを支援することが重要なのではないでしょうか。

そして、私たち自身が、社会や学校に常に関心を持ち、時代の変化に敏感になって、未来を生きる子どもたちに今必要な教育を考え続けたり、学び続けることが大事なのではないでしょうか。

次回は、「学力観」についてまとめてみたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました!