今、学校教育で重視されている ”学び” とは?保護者はどのように関わればいいの?

「学習指導要領」に込められた思い

「学習指導要領」とは、全国どこの学校でも一定の教育水準が保てるよう、文部科学省が定めている教育課程(カリキュラム)の基準のことです。およそ10年に1度、改訂されていて、現行のものは、小学校では2020年度、中学校では2021年度、高校では2022年度から実施されています。


子どもたちの教科書や時間割は、これを基に作られています。

というわけで、現行の学習指導要領を実際に読んでみると・・・、うわぁ~情報量が多すぎる!!!(-_-;)

そこで行きついた文部科学省のHPにある “改訂に込められた思い“ をみてみました!

改訂に込められた思い

学校で学んだことが,子供たちの「生きる力」となって,明日に,そしてその先の人生につながってほしい。
これからの社会が,どんなに変化して予測困難な時代になっても,自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,判断して行動し,それぞれに思い描く幸せを実現してほしい。

そして,明るい未来を,共に創っていきたい。(引用元:学習指導要領「生きる力」|文部科学省

わぁ~、なんか、すごく素敵!!!

保護者だって先生方だって、きっとそう思っている人が多いよね?!

あらためて、今すぐ保護者や先生方と共有したい!そんな思いで今回はつづりたいと思います。

教育の目的とは

ひよどり
ひよどり

そもそも、教育の目的って何なのだろう?

ふと思ったので、あらためて調べてみました。普段あまり意識していないことを、調べ考えてみると、なかなか奥深いものだなぁと感じます。

日本の教育の目的は、「教育基本法 第一条(教育の目的)」に記されています。

教育の目的 (第一条)

教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。(引用元:教育基本法|文部科学省

ひよどり
ひよどり

うんうん、ナルホド、ちょっと難しいけど、まあそうだよね?

整理すると…

  • 人格の完成
  • 平和で民主的な国家及び社会の形成者の育成
  • 心身ともに健康な国民の育成

という3つの目的がある、ということになりそうです。

でも、あまりにも抽象的すぎて、いまいちイメージできないのは私だけでしょうか。

小学生の子どもでもわかるように、私なりに簡単な言葉にしてみると、

  • みんなが優しい心を持った、立派な大人になること。
  • 正しいことと悪いことの区別がつき、みんなと仲良くできるようになること。
  • みんなで平和に暮らせる社会を作るために、協力すること。
  • けんかをやめて、仲良くすること。
  • 元気いっぱいに体を動かすこと。
  • 病気にならないように、体を大切にすること。

という感じでしょうか。なるほど。

ところで、「教育」という言葉そのものも、すごく抽象的なんですよね・・・

「教え育てる」・・・。理解しているようなしていないような・・・。

「教育」と聞いて、私が真っ先にイメージするのは、「学校(教育)」なのですが、最近では、「社会人教育(リカレント教育)」なんて言葉も耳にするようになりましたし、保護者の立場からすると、家庭でもたくさん「教育」していますよね

ひよどり
ひよどり

「教育」って学校だけのものじゃない。その先の社会につながるものなんだ!

学校での ”学び” を人生に生かすんだ!!

と、まずは考えなければならないということですね。

まあ、あたりまえと言えばあたりまえなんですが、なんとなく受験とかテストとかそんなことのためにやっている時期もあったなぁなんて、自分のことを思い返したわけです…。

さて、「教育」や「教育の目的」という抽象的なものを具体的に考え出すと止まらないので、ここからは、教育の目的を果たすにはどうすればいいのか?ということについて、主に「学校教育」に的をしぼって考えていきたいと思います。

今、学校教育で重視されていること

ひよどり
ひよどり

教育の目的を果たすために、今、学校では何が重視されているのでしょうか?

そう考えた時に、よく耳にするのが、「主体的・対話的で深い学び」です。

「主体的・対話的で深い学び」を実現することで、社会に出てからも ”学び” を生かすことができる、というのです。

ただ、これまた抽象的な表現ですので、ここからは、具体的に「主体的」「対話的」「深い」学びの3要素をみていきたいと思います。

主体的な学びとは

主体的な学びとは、自分自身で考え、学びを進めていく学びです。

  • 自分で決める: 何を学びたいか、どう学びたいかを自分で決める。
  • 自分で考える: 教えられたことをただ覚えるのではなく、なぜそうなるのかを考える。

対話的な学びとは

対話的な学びとは、周りの人と意見交換をし、お互いの考えを深めながら、自分の考えを客観的にみる学びです。

  • 友達や先生と意見を交換する: 自分の考えを伝え、相手の考えを聞き、新たな視点を得る。
  • グループで話し合い、共通の理解を目指す: 異なる意見を出し合い、より良い解決策を探す。
  • 多様な価値観に触れる: 異なる考えを持つ人との交流を通して、自分の考えを客観的に見ることができるようになる。

深い学びとは

深い学びとは、知識を単に覚えるだけでなく、それを活用し、新たな問題解決につなげる学びです。

  • しっかり理解する: 単に覚えるだけでなく、なぜそうなるのかを深く理解する。
  • 応用する: 学んだことを別の問題に使えるようにする。

まとめると・・・

「主体的・対話的で深い学び」は、単に知識を詰め込むのではなく、自ら考え、行動し、周りの人と協力しながら、より高いレベルの学びを目指すことを意味しています。この3つの要素がバランスよく育まれることで、子どもたちは、これからの社会で求められる能力を身につけることができるというのです。

学校教育での具体例をあげると…

  • 国語の授業で、好きな本について友達と話し合う
  • 理科の実験で、なぜそのような結果になったのか、グループで考える
  • 歴史の学習で、昔の人の気持ちになって考えてみる

このように、ただ教科書を読んだり、先生の説明を聞いてひたすらノートを書く学びではなく、自分の考えをもち、友達と協力しながら学ぶことで、より理解が深まるのだそうです。

保護者はどのように関わればいいのでしょうか?

ひよどり
ひよどり

「主体的・対話的で深い学び」を実現するために保護者ができることは何だろう?

さて、学校での子どもたちの「主体的・対話的で深い学び」をサポートするためには、家庭での関わりがとても大事になってくるのではないかと、私は思っています。

保護者ができること(家庭でしかできないこと)がたくさんあると思うのです。例えば、

  1. 子どもの興味関心に目を向ける:
    • 子どもが何に興味を持っているのか、どんなことに楽しんでいるのかを観察する
    • その興味を深めるような本を読んだり、一緒に活動したりする機会を設ける。
  2. 質問を投げかける:
    • 「どうしてそう思うの?」「もっと詳しく教えてくれる?」など、子どもの考えを引き出すような質問を投げかけて、子どもの考えを整理する
  3. 一緒に学ぶ(遊ぶ)時間を大切にする:
    • 子どもと一緒に本を読んだり、ゲームをしたり、実験をしたりする時間を作ることで、共通の体験をする。そうすることで会話が生まれ、一緒に学びを深める
  4. 失敗を恐れない雰囲気を作る:
    • 間違えることは、成長のチャンスだと捉えて、失敗を恐れずに、色々なことに挑戦できるように励ます
  5. 子どもの自主性を尊重する:
    • 子どもが自分で考え、行動できるように、選択肢を与えるようにする。                (もちろん安全面には十分に配慮して)
  6. 周りの大人とのつながりを大切にする:
    • 子どもが様々な人と交流できる機会を作り、保護者以外の他の大人との会話を通して、新しい視点や考え方を得られるようにする。
  7. 読書の習慣を身につけさせる:
    • 読書は、語彙力や表現力を豊かにし、想像力を育む。
    • 子どもの興味に合わせて、様々なジャンルの本を選ぶようにする。
  8. 体験学習の機会を与える:
    • 博物館や美術館、自然体験など、様々な体験を通して感性を磨き、深い学びにつなげる

家庭でのかかわり方も、「主体的・対話的で深いかかわり」にすれば、学校での新しい”学び”にもスッとなじめそうな気がします。

大切なのは、子どもとの対話

子育ては、いつもいつもうまくいくわけではありません。私自身もたくさん失敗していますし、反省していることもたくさんあります上に書いた、8つのことももちろん、いつも意識してできているわけではありません。

ただ、保護者ができる一番大切なことは、子どもとの日々の対話なんじゃないかと、最近は思っています。というより、この記事を書きながら思いました。

対話を通して、人それぞれの考え方の違いに気づいたり、時には自分の考えを修正したり、相手を尊重する気持ちも育まれる。それは、学校教育だけでなく、社会に出てからも生きるのではないか・・・と。

だから、やはり、

  • 子どもの話をよく聞くこと
  • 共感の言葉をかけること
  • 子どものペースに合わせて接すること

を大切にしたい!そんな思いに至りました。

今回、学習指導要領に書かれていることや「教育」そのものについて調べてみて、自らの子育てについてあらためて考えることができました。そして、

  • 答えを教えるのではなく、一緒に考える: 子供が自分で答えを見つけられるように、ヒントを与えたり、一緒に考えたりする。
  • 完璧を求めすぎない: 人は失敗から学ぶもの。完璧を目指しすぎると、子どもは萎縮してしまうかもしれないから、子どものうちから完璧でなくても大丈夫!という考え方で接する。
  • 無理強いしない: 子供の興味やペースに合わせて、無理強いしないようにする。

ことにも気をつけたいと思いました。いつもいつもはなかなかできないんですけどね・・・

まとめ

社会の変化に合わせて、学校教育は変わってきている。(学習指導要領改訂)

・先生からの指示や、先生から教えてもらうことを待っているままでは、社会に出てから”指示待ち”になってしまう可能性が高い。そうではなく、「学校で学んだことが、子どもたちの『生きる力』となって、人生につながってほしい」という思いが、現行の学習指導要領には込められている。

自分で考え、他者と協働して『生きる力を、子どもの頃から身につけていくことが大事

家庭でも、子どもの主体性を大事にし、対話を重ねて物事を深く理解しようとするかかわりを大事にすることで、「主体的・対話的で深い学び」の実現を促すことにつながる。

ひよどり
ひよどり

最後までお読みいただき、ありがとうございました